2023年の冬の房総サヨリ事情
南房~外房へ・・・サヨリの好釣り場を訪ねて回った冬のある1日
サヨリが釣れているのは、どこだろうか?
2023年2月17日、朝から南房総・白浜から外房・勝浦方面までのサヨリの好釣り場を訪ねて回り、この冬のサヨリ釣りの実態を見たり聞いたりしてきました。
今回は、この冬の房総各地でのサヨリ釣りに関するレポート記事です。
2月中旬の房総沿岸。
日差しが出れば暖かくなる日もあるし、暦の上では春ではあるが、まだまだ寒さが厳しい季節。
房総の冬の陸っぱりの釣りといえば、僕は真っ先にサヨリを頭に浮かべる。
そのサヨリ・・・今年の冬は局地的に群れが入ったものの、広範囲に群れが接岸しなかった昨年(2022年)以上に釣果が芳しくない様子。
2月中旬のある日に、南房から北上しながらサヨリの好釣り場を訪ね、現地の釣具店や釣り師さんから直近の釣果について聞いてきた。
まずは、南房総市千倉町平舘の磯。
水深はあまりないものの、磯に入り込んだ潮が真っすぐ沖に払い出していきやすい地形のため、コマセが効きやすくサヨリの群れが寄ることでよく知られた場所。
僕も数年前にここで釣りをして良型のサヨリの入れ食いを経験したことがある。
低い磯なので、遠くまで見通すことができるのだけど、見渡す限り釣り人は一人もいなかった。
続いて、南房総市千倉町の瀬戸浜新堤。
大型のテトラがすき間だらけで積まれていて、しかも高さもあるため、かなりヘビーな釣り場。
ただし、サヨリの群れが寄りやすい場所としても有名で、昨年(2022年)の冬にもわずかな期間に群れが接岸している。
ここもこの日は釣り人がまったくいなかった。
南房総市和田町の和田港。
大きな漁港で堤防先端付近は水深も充分にある。
堤防先端付近や点在するそれぞれのテトラ帯回り、2本の堤防の向かい合う船道周辺など、サヨリの好ポイントが多く、群れが入れば2段ウキ仕掛けや遠投仕掛けなど釣り人によって好みのスタイルで好みの釣り座で狙っているのを見かけるが、この日もほぼ釣り人の姿はなかった。
なお、南房総市内の釣具店で直接サヨリの釣果について訊いてみたが、「この冬釣れたという話は、まだ聞いていない」という答えだった。
さらに北上して、勝浦市の川津~沢倉~豊浜~新官方面のテトラ回りへ。
午前11時~正午の時間帯に上記の勝浦市内の堤防を4か所回ったけど、釣り人は全部で5人いて、そのうちサヨリを狙っている釣り人は2人しかいなかった。
サヨリを狙っていた人に訊いてみると、「今日はサヨリのアタリらしいアタリはまったくない」という。
「今年のサヨリは厳しいねぇ」・・・この冬、何度かサヨリを狙って釣りをしたけど、現地でお話したサヨリ狙いの釣り師さんたちの合言葉のようになっている。
さて、僕は正午前後の時間に、視察した堤防の中で、もっとも波があって釣れそうな場所でサヨリを狙って竿を出してみた。
ダメでもともとのつもりだったけど、結局午後3時までの3時間の釣りでは一度もサヨリのアタリはなかった(数匹のフグのみ)。
コマセを打ち続けていると、サヨリがいれば高い波の上にその姿を見ることができるけど、この日それを見ることはなかった。
水温の上昇がサヨリの群れを遠ざけている?
納竿して、現地の釣具店へ。
次回の釣行のためのエサを購入しつつ、ここでも直近のサヨリの釣果について尋ねる。
その店主さんの話によると・・・
外房の冬の平均水温がすでに10年前にそれ以前よりも1度以上は高くなっていた。
それから10年経過してさらに水温が高くなっている。
その高い水温こそがサヨリが接岸しない理由だろう。
もしかしたら、あと数年したらこの近辺ではサヨリがまったく釣れなくなるかもしれない。
もっともっと北に行かないと釣れなくなるかもしれない・・・という。
そして、「今年の状況は、いい日に上手い人でも20匹くらいが最高のようだね。でも、その次の日には同じ人でも2~3匹しか釣れないこともある。群れそのものが小さくて、これまでのところ、なかなか大きな群れが入って来ていないようだね」
・・・とのことだった。
海全体の水温となると、釣り人の力ではいかんともしがたい。
ただ、まだ冬は終わっていない。
南~南西の強風が吹き続け、房総の太平洋側の海水温が下降する日が続けば、サヨリの群れがどんどん入ってくるのでは・・・などと今でも期待をしている。
この冬、あと数回は懲りずにサヨリを狙う釣りを続ける予定。
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